実作講座「演劇 似て非なるもの」プレゼンツ リレーエッセイ『いま、どこにいる?』第21回 Aokid


実作講座「演劇 似て非なるもの」プレゼンツ

リレーエッセイ 『いま、どこにいる?』第21回 Aokid


Photo by Aokid


実作講座「演劇 似て非なるもの」は「人と人が出会うところから始まる」と考えています。
でも今は人と接触することに、どこか恐れや不安を互いに感じてしまうような状況が続いています。
家族や職場の人たち、ごく限られた人にしか会わない生活をしている人も多いのではないでしょうか。
そんな中、みんな、どんなことを感じたり考えたりして暮らしてるのかなと思ってみたりします。
実際に会ってはいなくても、いろんな場所に信頼する人たちが居て、それぞれ日々の暮らしがある。
そのことを灯火のように感じています。

僕がAokidさんから感じるのは、一言で言えば「自由」ということだけど、それはどういうことだろうか。

僕はずっと世の中に足りてないのは「倫理」だと思っていた。でも最近、そうは言ってもじゃあ自分にインストールされてる倫理はどんなものなんだろうかと、ふと思ってしまった。既に埋め込まれてしまっているものを、自分自身で見つめ直すのはとても難しい。

僕が考える倫理は、困ってる人が目の前にいたら、あれこれ考える前に体が動いて助けようとするようなことで、僕がAokidさんから感じるのは、そういうことだ。きっと、そういう人なんじゃないかと思っている。そういう人こそ僕は自由だと思う。輝いて見える。

考えることは大事だが、僕は何かをやらない理由も同時にたくさん考えてしまう。考える前に動いてしまうのは、普段からいっぱい考えて感じているからだ。同じ瞬間は二度と無いし、いつでも初めての経験だ。

あーーー、人が踊る、歌う。踊ってるのも、歌ってるのも自分じゃないけど、それを自由だと感じられるのはとっても嬉しいことだ。ありがとう。

(生西康典)


「青春」 Aokid

レッドブル~!!!!
飲んだことありますか?はじめに飲んだのは2007年のビーボーイパークでその日はやけに興奮して眠れなかった。
14歳の頃に見に行ってから夢だったんだよ、出るの。
楽しいんだけどやめちゃった、その1年ちょっとあとに。
踊る理由がどんどん変わっていってる。結局変わっていないとこもあんだけど。
生きているモチベーションと踊ることの理由を無理やりに相談させていったのかもしんない、そしたらもしかしたら今目の前にいる人をなんとか動かそうとするっていうことや、見ている聞いている自分が変わっていくっていうことも踊りの中にいれちゃうし、うたうことや声を出すことも踊りの中にいれちゃう。入っていないかもしんないとしたら呼び方はわかんないんだけど。
そうすると全部の弱パンチも横移動も、上ジャンプも必殺技も、なんもボタン押さないも、すべて世界と関わっている瞬間に動かせる事象で、本当にいけそうならテンションがあったり元気があったり逆に悔しかったり、あるいはポジティブにあふれていたりする時はその全てをつかってそこから選んで目の前のことを動かそうとしよう。
そう思っている瞬間がいくつか数えるとあるんだ、今までもこれからも。
そう思わなくなったら嫌だから、そうならないように気をつける。
でも気をつけるっていうよりももっと早く、その前に出ようとしよう。
そうしたら結構走ってるみたいで青春かもしんない。
美しいかもしんない、もしかしたら悔しい涙も走ってる最中流れているかもしんない。
そんなこと言ってお前!何もやってない、遅い!なんて言うかな?

でも書こう。
書いたり、やろう。
言葉も行動も目線も鼻くすんくすんも使って。
僕は、あなたは主人公だから。

(2020年9月6日)

Aokid

緊急事態宣言下でやりたかったのは自転車を買うこととリフティングをすることとスケボーをすることだった。自転車は赤いのをネットで見つけたのに買わなかった。サッカーとスケボーならその道具側が自分を振付しそうだからそれで始めたいと思っている。典型的なB型。1月19日生まれ。これまでたくさんの1月19日生まれに出会ってきた。これからも増えていくのが楽しみ。好きな女の子のタイプはクールな人かもしれない。

リレーエッセイ『いま、どこにいる?』

第1回 植野隆司「トゥギャザー」
第2回 鈴木健太「交差点」
第3回 黒木洋平「もっと引き籠る」
第4回 武本拓也「小さなものの食卓」
第5回 冨田学「面白かった本について」
第6回 竹尾宇加「新しい日常」
第7回 ドルニオク綾乃「集えない」
第8回 冨岡葵「Letter」
第9回 岡野乃里子「体を出たら窓から入る」
第10回 奧山順市「17.5mmフィルムの構造」
第11回 千房けん輔「中間地点」
第12回 佐竹真紀「お引っ越し」
第13回 山下宏洋「休業明け、歌舞伎町に映画を観に行った。」
第14回 小駒豪「いい暮らし」
第15回 伊藤敏「鹿児島にいます」
第16回 コロスケ「無意義の時間」
第17回 嶺川貴子「空から」
第18回 加戸寛子「YouTubeクリエイターは考える」
第19回 いしわためぐみ「OK空白」
第20回 井戸田裕「時代」

▷授業日:週替わりで月曜日と金曜日 19:00〜22:00(6月から開講)
「演劇」は既成のイメージされているものよりも、本当はもっと可能性のあるものなんじゃないかと僕は思っています。それを確かめるためには、何と言われようとも、自分達の手で作ってみるしかありません。全ては集まった人達と出会うことから始めます。